住まいの購入を思い立つと、まず、不動産会社や住宅展示場などに足を運ぶのが一般的です。その際、選ぶ基準を明確にしていないと、物件やモデルハウスを見ても正しい比較検討ができなくなります。
人それぞれの価値観で、立地、環境、間取り、外観など、何を優先するかが変わってきますが、最終決定において必ず検討するのが価格です。所得に応じて、『住まいに使うことのできる上限額』が決まるわけですから、当然といえるでしょう。
『住まいに使うことのできる上限額』とは、月々の収入が〇〇万円なので、ローンの返済は△△万円以内というものではありません。住まいは生涯必要なものですから、住まいに使うことのできる額も生涯で計算する必要があります。
登記費用や仲介手数料、ローン手数料などの諸費用は当然のこと、購入後の不動産取得税や固定資産税。
戸建であれば、約10年ごとに100万円単位のメンテナンス費用や、修繕費用、リフォーム費用など。
マンションであれば、管理費や修繕積立金などが掛かります。(将来的に上昇することも見込む必要あり。)
所有するということは、思った以上にお金が掛かるものです。
このような費用を見込んでいないシュミレーションを目にすることが多いのですが、それではご家庭の資金力を越えた物件に手を出してしまうことになりかねません。
不動産会社やハウスメーカーの紹介で作成されたシミュレーションが、信用できるものかどうかのチェックとして、これらの費用が見積もられているかどうか確認すると良いでしょう。
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先日は、FPの方を対象に、住宅取得相談の講義をしてきました。

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そして、もっとも大きな支出となるのは、大規模修繕費や建て替え費用です。
周囲を見渡せば判りますが、多くの戸建住宅が30年から40年程度で建て替えをしています。(今後は、マンションも建て替えが大きな問題になるでしょう。)
一方で、私が幼少の頃からずっと残っている家も少なからずあります。
『住まいに使うことのできる上限額』は、大規模修繕費や建て替え費用も含めて考える必要があります。逆に言うと、大規模修繕や建て替えの必要のない住まいが、結果的に総額を安く抑えることができるというわけです。
多くの方が、30歳を過ぎたあたりから住まいの購入を検討し始めます。
人生90年と云われる時代に、30年、40年しか持たない家を購入(建築)したとすると、確実に建て替えが必要となります。
定年退職が近づき、ようやく住宅ローンが完済できたと思ったら、建て替えをしなければいけなくなった。こうなると、老後資金としてあてにしていたお金を、建て替え費用で使うことになります。
これから年金生活に入ろうとする時に、数千万円の支出は老後の生活設計を狂わせますので、住まい選びで最も肝心なのは、将来大きな支出がないことです。

