『以下は、12月4日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,819円から22,811円へ』
再上昇の期待を煽るように、証券会社などでは25,000円や30,000円が視野に入ったというようなキャッチも目立ってきています。私自身も昨年のメルマガでは、25,000円の可能性ありと何度も記してきましたので、それを否定するつもりはありません。しかし、そこに至るまでの障壁がでてきましたので書いておきたいと思います。(昨年日経平均が25,000円を目指すと書いていたころは、こうなることなど考えにも及びませんでした。)
9月末から11月9日まで続いた上昇相場が、外資系の先物による買い上げだということは繰り返しお伝えしてきたとおりです。また、本来ならば買い上げてきた先物を利食うための売りで、半値戻しの21,000円くらいまで一気に下落しても不思議ではないところでしたが、これまた外国人が利食いするための売りを日銀が全て買っているため、下がりもしない状況です。
今年、2度の先物の売りを仕掛けた外資系でしたが、日銀の買い支えで失敗に終わり、ならばと仕掛けた吊り上げの仕掛けが見事に決まったのが、9月末からの上昇相場です。もちろん、その間も日銀が買い続けており、年間6兆円がもたらす影響の大きさを改めて認識させられました。(数週間前のメルマガで記したとおり6兆円というのは曖昧ですが)
たしかに、日銀が買い続ければ、理屈上は25,000円や30,000円に到達するでしょう。というよりも、日銀がこのまま買い続けるのであれば、青天井に上がることになります。(日経平均構成銘柄の多くで日銀が大株主になっていますから、当然どこかで限界は来ます。)
何度も何度もお伝えしているように、日経平均株価という指数は外国人の先物買いや売りで動かされています。日本人の個人投資家は、調整後の先週あたりからようやく少し買いが出てきました。日本人の個人投資家が買うと、外資系が一気に下げ仕掛けをするということがよくあります。日本の個人投資家の資金は、根こそぎ外国人投資家に持って行かれるというわけです。
しかし、今回は2度の売りの失敗、その後の買い仕掛けの成功、それは、ともに日銀による買いが理由です。ならば、外国人投資家は何らかの事情で日銀が買えなくなるまで、買いで利益を狙うと考えるのが普通であり、巷で云われているように日経平均は更に上を目指さなくてはいけません。それにも関わらず、調整後も上へ動かない理由は、おそらく次に記す理由です。
11月9日クライマックス後の調整の過程で、信託銀行が1700億円売り越しています。これは、おそらくGPIF(年金)による売りだと推測しています。推測と書いたのは、GPIFの売買は信託銀行が行いますので、統計上は信託銀行の売買となります。よって、信託銀行の自己売買の可能性も考えられますが、おそらくGPIFです。

アベノミクスは、日銀に株を買わせ、昨年から月初には郵貯・簡保にも買わせています。GPIFにおいては、日本株の保有比率を12%から25%に変更させて買い増しさせました。GPIFのポートフォリオは±8%が許容範囲とされていますので、8%を超えて比率に歪みが生じた場合はリバランスすることになります。おそらくは、今回の日経平均の上昇で、日本株の保有比率が25%+8%の33%を超えてしまい、リバランスのために売ったものと推測しています。
この推測が正しければ、今後23,000円から上はGPIFが売ってくることになります。つまり、年金が売って日銀が買うという構図ですから、資金を日銀からGPIFに移転させる作業に過ぎないという事になります。あの手この手で買い支えて(買い上げて)きたわけですが、行き過ぎた官製相場が自己矛盾に陥ったことになります。もっとも、日銀のお金を外資系の投資家に配ってきたこれまでと比べれば、まだマシという意見もあるかもしれませんが。
安倍政権は再来年?の改憲国民投票までは、何としても高い株価を演出したいはずです。この手詰まりをどう抜け出せるか、それを受けて外国人投資家はどう仕掛けてくるのかはとても興味深いところです。日経平均25,000円や30,000円というのは非現実ではありませんが、ここから上の再上昇に関してはかなりの市場エネルギーが必要になるはずです。上を目指したとしても23,000円より上あたりは、かなり大きな抵抗になる気がしています。今年2度の外国人投資家の売り崩しは、あと少しというところで日銀が勝ちましたから、GPIFが売ると判れば、意表をついて再度売りの仕掛けをしてくることは充分考えられます。
『以下は、12月18日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,553円から22,902円へ』
先週のメルマガで、『先週水曜日は、トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と認めるとともに、大使館をエルサレムに移転する準備を指示するとの報道を受け、中東の地政学リスクが高まりました。日経平均は支持線として意識されていた25日線を割り込み、大きく下落しましたが、欧米市場が大きなパニックにならなかったことを受けて、週末にはちょうど真ん中(PER15倍)まで戻しました。』と記しました。
この中東問題については多くのメディアが扱っていますので、違った視点で見て行きたいと思います。先ずは、なぜトランプ氏の発言を受けても、欧米の株式市場が冷静を保つことが出来たかについて。
エルサレム=ユダヤ人=金融を支配。この関係は既知のとおりです。これに、トランプ氏の娘婿で実質的な大統領と云われるクシュナー氏もユダヤ人であり、トランプ氏が今の資産を築くに至った大きな要因の一つがゴールドマンサックスとの人脈であることを含めてみれば、トランプ氏が今回のエルサレムの騒動で、株や不動産を暴落させるようなことはしないと考えることが出来ます。
(欧米がパニックになっていないと言えども、この下げで買うのは勇気が要ります。もしも、ここで先物を買い建てる勇気があれば、投資した資金は数時間で倍以上になります。リスクを取るというのは、こういうことです。当メルマガでは、このような投資は推奨していません。もっともっと確実と思われる場面で、小さな利益を積み重ねることを目指しています。リスクテイクの一例として紹介しました。)
では、このトランプ氏の発言には、どのような意図があったのでしょうか。ここからは推論です。

アメリカは世界一の産油国です。原油価格が上がれば、アメリカは儲かるわけです。あくまで私の見立てですが、アメリカファーストを唱えるトランプ氏は、原油価格を上げるために中東を揺さぶったのではないかと考えています。
同じように考えると、もう一つ辻褄が合う話があります。北朝鮮問題です。これまで幾度となく、トランプ氏は金氏を口撃してきました。トランプ氏の先日のアジア歴訪では、日本をはじめ沢山の武器を売り込むことに成功しています。アメリカの武器を買ってもらうことも、当然アメリカの利益ですから、意図的に北朝鮮を煽ったと考えることもできます。
もしも、この推論が正しければ、北朝鮮問題でJアラートを聞かされた日本国民や中東諸国にとっては、甚だしく迷惑な話です。しかし、セールスマンとしては、かなり計算された商談の進め方だと思います。

