住まい探しやハウスメーカーを選ぶ前に

講演で富山に行ってきました。

全国組織の社団法人が主催するセミナーですから、「家を買う」「家を建てる」を前提にした話ではありません。

第1部は、1級建築士と地元富山で知名度の高いアナウンサーとの対談です。さすがアナウンサーですね。話し方や間の取り方が絶妙で、大変勉強になりました。また、1級建築士の方は、設計だけでなく建築資材にも詳しい方です。

家を長持ちさせるための工法や建築資材について、よくある施工の失敗例、お金を掛けるべきところと節約すべきところ、物件(土地)探しから決定までの注意点などに関する話など、不動産会社やハウスメーカー、工務店では聞けない話が満載でした。

家を購入する時や建てる時に、立地、広さ、間取り、外観、内装といったことを中心に、物件を選んだり、工務店やハウスメーカーを選ぶ人が多いと思います。一般の人は設計や建築資材といった専門的なことは判らないので、そうなってしまうのも仕方がありませんが、建築資材というのは住まい選びや家を建てる際にとても重要です。家が長持ちするかしないかは、建築資材で決まると言えます。

例えば、新築の住まいを購入あるいは建築したとして、もしも30、40年で建て替えなければならなくなったとすると、「ようやくローンの返済が終わったと思ったら建て替え?!」「建て替えなんて想定していなかったからお金は無いよ。もう定年してローンも組めないし。」といったことになります。実際に、こういった相談に来られる方は多いです。ようやく住宅ローンの返済が終わったと思ったら、立て替えや大規模修繕で数千万円単位の出費。そんなことがあっては、老後破綻に繋がりかねません。子どもや孫の代までとは言わずとも、少なくとも寿命を全うするまでは建て替えや大規模修繕をしなくても良い住まいでなければいけません。

住まいを購入したり建てたりする際に、一番大切なのは長持ちする家を選ぶ・建築することです。

私の第2部では、これまでの相談で多くみられた、住まいに関する資金計画の失敗例、そのような失敗をしないための住まい計画について話をしました。

講演の内容は、

・生涯住み続けられる長持ちする住まいの選び方
・買ってはいけない物件の見極め方
・借りても大丈夫な住宅ローンの額
・住宅ローンの選び方
・繰り上げ返済をしなくて良い理由

などです。

住まいに関するセミナーで、全国を行脚しているのには理由があります。
日頃の相談で、日々の生活に余裕がないご家庭の大半が、住まいの計画に失敗しているからです。

賃貸であれ持ち家であれ、住まいには生涯で数千万円単位のお金が掛かります。一般的なご家庭の場合、1千万円のお金を貯めるのには時間が掛かりますが、いとも簡単に適正予算より1千万円以上も高額な家を購入(建築)してしまうご家庭が多いのが現状です。身の丈以上の物件に手を出してしまうと、いくら賢いローンの借り方や返済ができても、家計が厳しくなるのは明白です。

あとあと困らない様にするには、各々のご家庭にとっての適正な予算を把握することです。そして、適正な予算は、多くの場合「自分が思っているよりも」、「不動産会社やハウスメーカーが言うよりも」、少ないのが実情です。

住まいに使っても良い金額を把握して、その額を超えないようにすることが、「失敗しない家探し(建築)」の第一歩です。「住まいにかかるお金」は人生の三大支出の一つと云われています。それほど大きな支出を、はっきりしたモノサシを持たずに感覚で決めてしまうのは危険です。

将来、お金に困ることがないように、『住まいを購入・建築する前に、適正な予算を把握する』ことを広めていくことは、FPとしての私の役割の一つだと思っています。