11月の「日経平均株価振り返り」と「主なニュース」

『以下は、11月6日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,539円から22,681円へ』

今回の上昇相場で個別に物色されている銘柄は、ITやハイテク関連株だというのは先述のとおりですが、(日経平均の寄与度が高いファーストリテイリングなども買われていますが)さらに大局的に見てみます。

1990年代後半から2000年はITバブルの呼び名のとおり、ニューエコノミーが相場を牽引していました。ITバブルが弾けた後、リーマンショックが起こるまでの間は、中国の成長もあって鉄などの現物が動いたため、コマツや川崎汽船などの銘柄が上昇した時期です。すなわちオールドエコノミーが主役だったわけです。今、再びITやハイテク関連といったニューエコノミーが相場の主役になっています。このように移り変わっていく相場の主役と趨勢を考えれば、この後に来る主役はオールドエコノミーとも考えられます。

日経平均を使った投資からは外れますが、日経平均が更に上昇することを期待して買うにも、暴落を期待して売るにも難しい局面ですから、今のうちに割安なオールドエコノミー銘柄を買っておくのも一つの策だと思います。
実際、中国の一帯一路によって、そういった銘柄が少しずつ上昇を始めていますが、鉄や銅といった現物が動くのは何よりも戦争です。なんといっても昨日からのトランプ大統領の訪日で、日米首脳間で何が打ち出されるかということが、目先の日経平均にも今後5年10年といった相場の主役を占うにも最重要となります。トランプ大統領のお土産の如何によっては、地政学リスクが株価の上昇圧力を減殺するか、反転下落をもたらす恐れは十分にありますし、相場の主役が交代する可能性もあります。

『以下は、11月13日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,681円から22,396円へ』

アジア歴訪を終えたトランプ氏は、日本、韓国、中国、ロシアとの根回しを終えて、いよいよ北朝鮮の金正恩氏と直接的に対峙します。以前のような6か国協議の枠組みではなく、また今年4月のように中国を介する形でもなく、アメリカと北朝鮮が直接的に対峙するわけです。1990年代のクリントン政権から数えて20年ぶりのアメリカの戦略的な大転換です。

さて、トランプ氏、金正恩氏がどう出るのか。アメリカはとりあえず圧力を最大化しましたが、対話するにせよ軍事行動をするにせよ、まずは条件提示から始まると思われます。アメリカとしても振り上げた拳を降ろす理由が必要です。すでに核・ミサイルの60日間凍結など、アメリカ側が提示する条件が取り沙汰されていて、それに北鮮側がどう応えるかが市場にとっても最大の関心事となりそうです。
現時点ではアメリカの圧力が効いているようで、北朝鮮側は口撃はすれども具体的な挑発行為を慎んでいます。金氏がアメリカの出方を伺っていることは間違いなく、トランプ氏が対話を呼び掛けるならば、少なくとも交渉に応じる可能性は高いと考えられています。かと言って、日本政府はもちろん事態を楽観視してはいません。トランプ氏が習近平氏やプーチン氏との間で、どのような合意を結んだのかわかりませんが、少なくとも安倍総理との会談では半島有事を想定した具体的なオペレーションが、かなり突っ込んで話し合われています。
報道されているとおり、アメリカの空母が3隻も集結しているということは、アメリカ軍として最大限のリスクをとっているということです。それを受けて早速イランが攪乱作戦を開始しており、先日もイエメンの反政府組織フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドにミサイルを撃ち込み、サウジ側がこれを迎撃しました。フーシ派はイラン革命防衛隊の支援を受けており、背景にはイランそしてロシアの脅威があります。

サウジとイランとの対立はイエメンやレバノンを大混乱に陥らせており、中東全体の波乱要因となりつつあります。とくにイランの攻撃的な動きがかなり目立ってきています。ビジネスマン・トランプ氏のセールスが成功して、サウジはアメリカからミサイル防衛システムを購入していますが、サウジが自力で国土を防衛できるとは思えません。危機がイスラエルに波及する恐れもあります。サウジやイスラエルの安全を考えるならば、アメリカの空母群が朝鮮半島に張り付いているのは危険なのです。それでもアメリカ空母が3隻も日本海に展開して、北朝鮮を威嚇し続けているということは、トランプ政権の決意の表れともとれます。アメリカ国民は8割以上が北朝鮮攻撃を想定しているという調査もありますが、最低の支持率と不人気ぶりに喘ぐトランプ政権としては、軍事行動を支持率回復の切り札とすることも当然あり得ます。

『以下は、11月20日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,396円から22,550円へ』

ご承知のとおり、日本の借金は国内債務です。仮に、借金の大半は国内からだから大丈夫ということが正しいとしても、やがて借金を国内で消化できなくなり、対外債務に頼らざるを得なくなった瞬間にその論拠は無くなります。現在、国の借金は1200兆円であり、
日本人の個人資産は1800兆円ですので、確かに余力があるといえばあるのですが、現預金は900兆円くらいしかありませんので、国債を買うにも限界があります。また、個人の富が増える以上のスピードで国家の借金は積み上がっています。毎年の税収が60兆円しかないのに、100兆円以上を使っているわけですから、誰がどう計算しても2020年代になったら、国債を国内市場で消化するのは不可能となります。国内債務だから大丈夫という前提が崩れるということです。

かといって海外勢を頼みにするのも危険ですから、そこで登場したのが日銀です。現時点で日銀は400兆円の国債を保有しています。今後も毎年80兆円の国債を買い続け、インフレが発生するのを待つという「異次元緩和」が継続されています。
当然、これもいつかは限界が来ます。金融機関等もある程度、国債は必要ですから、全ての国債を日銀が奪うわけにはいきませんし、市中にある国債にも限りがあります。これまでの速度で借金が積み上がる限り、日増しに財政破綻が不可避になってきています。

さらに、日銀が国債の大半を購入しているという状況は、国内債務かどうかということとは別に大きな危機を内包しています。昨年9月の総括的検証以降、日銀は質的・量的緩和の目的を転換しています。実際、インフレが発生するのを待つよりも、長期金利をゼロで維持することに全精力を集中させています。

今、日銀が国債を買うのは、インフレさせるためではなく長期金利をコントロールするためです。(昨年9月まで日銀のホームページには、「長期金利のコントロールは不可能」とありましたが、総括的検証を終えて目的を転換した瞬間に何の理由も説明もなく削除されました。)コントロールし続けることはできないことは判っていても、その努力をやり続けるしかないからです。
 実際、インフレが発生して金利が上がれば、日銀か政府かのどちらか、あるいは両方が、 一挙に吹き飛びかねません。この点を正確に語る識者はいないようですが(意図的にそういう見識の御用学者や誤用アナリスト、リフレ派の審議委員で固めています。)国会や財務省、日銀の中の人が最も警戒しているは金利の暴騰です。

『以下は、11月27日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,550円から22,819円へ』

12月7日はメジャーSQですから、そのあたりで、もう一波乱あるかもしれません。さらに12、13日はFOMCですから、相場全体が様子見になることが考えられます。徐々に値動きが穏やかになってきており、相場水準・株価ともに高くもなく低くもない位置です。
メジャーSQやFOMCを無難にこなすことができれば、年内最高値を目指す可能性があると考えています。勿論、それは幾度も記してきたような外部環境が平穏であればという前提です。
次項で詳しく記すトランプ氏の減税案は、何とか年内に成立させることができるスケジュールで進んでいるようです。(詳しくは後述のとおり)それに加えて債務上限の引き上げ問題もありますから、アメリカの政界がもつれるようであれば日経平均も攪乱される恐れはあります。また、先週突如飛び出したドイツの政局も、今後のシナリオによっては大きな不安要素になりかねません。無論、メルケル首相には再選挙を含めて、打つ手は複数残されているでしょうし、もしもメルケル氏が退陣するようなことがあったとしても、その後の政権が(フランスのルペン氏のように)エキセントリックに欧州の枠組みを壊すようなことはないだろうと思います。ドイツ政局が勃発した後も、相場への影響は限定的ですが、不安材料が増えることは良い話ではありません。