テーマは、「金融緩和縮小期の家計経営について」。
年間80兆円の金融緩和の持続性が問題視されていたのを受け、日銀はイールドカーブコントロール付き量的・質的緩和政策に切り替えたのが昨年のことでした。これは、実質的なテーパリング(量的緩和の縮小)と考えています。
上場企業は過去最高益を上げながらも、好況感は一般家庭まで広がらず生活は厳しさを増しています。今後どのような金融政策が考えられるかを踏まえ、私たちの生活にどのような影響があるかを短期と中・長期の視点でお伝えをしました。また、ますます自助努力が必要とされていく中で、個人の家計も会社経営と同じように、毎年の収支管理と資産・負債の見直しが必要であることに触れました。
具体的な、住宅ローン、保険、資産形成・運用の考え方を紹介した時が、もっとも会場の反応が良かった気がします。これは、受講者の「どうすれば良いか?答えだけが聞きたい。」という気持ちの表れかもしれません。確かに、現在の状況において良いと思うもの選択する方が、商品の売り手も買い手(一般家庭の消費者)も判りやすくて簡単だと思います。ですが、家計に大きな影響を及ぼす住宅ローンの返済、保険料の支払い、資産形成・運用は、何十年も続くものですから、短期の視点だけでなく、世の中の動きを知り大局観をもった長期的な展望が必要です。
実質賃金のマイナスが続く中で(2016年は前半の原油安でプラスでしたが)、豊かさを求めるご家庭が増えてきている気がします。有料の講演でありながら会場は満席でした。これは、「無料マネーセミナー」等と銘打って、結局は主催者側が売りたい商品に誘導されることに、喪失感を持った人が、わざわざお金を払って参加して下さったのかもしれません。
売り手が売りたいものを売るという金融業界の慣習がある以上、短期的な視点での答えを求める人が多いのは止むを得ないことです。少数の賢者たちは、どのような思考をしているのか。FPのはしくれとして、そんな啓蒙活動が大切だと感じた一日でした。


