2月の「日経平均株価振り返り」と「主なニュース」

『以下は、2月5日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値23,274円から21,382円へ』

多くの市場関係者は、日銀の金融政策の転換(つまり出口戦略)が間もなくやってくるとみています。それが予防的な動きを取り始めるようになれば、為替も金利も大きく動く可能性があり、日経平均も波乱の展開となりかねません。実際に出口戦略へと移行がはっきりすれば、先高感はすっかり吹き飛んでしまうことになると思われます。

2月の中旬以降に政府が日銀の新総裁・副総裁人事を提示し、国会は同意人事の手続きに入ると思われます。日銀人事は大きなイベントですが、安倍総理が秋の総裁選再選を果たせるかどうかも重要なポイントになります。後ほど解説するとおり、安倍総理再選に暗雲が広がってきています。安倍政権の基盤が揺らぐことは、日銀人事や異次元緩和の持続可能性も不透明になるということです。

『以下は、2月12日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,382円から21,720円へ』

アメリカの長期金利以上に気になるのは、やはり日本の長期金利の動向です。先々週、日本の長期金利が上昇した際、日銀は即座に指し値オペを実施して、結果的に長期金利は0.1%を超えることなく落ち着きました。

ただ、金利の上昇を抑えることができたのは、指し値オペが効いたからかどうか定かではありません。アメリカ発の世界同時暴落をみて、日銀が近く出口戦略を取るのは無理だろうとの思惑が働いた可能性もあります。だとすれば、日本の株式市場が落ち着きを取り戻し、日経平均に先高感が復活することも考えられますが、次の金利上昇局面において日銀の指し値オペが成功するかどうかは、はっきりしないということです。

『以下は、2月19日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,720円から21,892円へ』

先々週の世界的な株価の暴落は、アメリカの長期金利が上昇したことが震源とされていますが、もう少し詳しく見ておきましょう。
VIX指数インバースETNというデリバティブ商品(金融派生商品)があります。(恐怖指数の空売りのようなものと理解してください。)ここ数年VIX指数は12~15で推移していましたが、直近の1年ほどは8~9まで下がっていました。VIX指数インバースETNはVIX指数が下がれば利益になるデリバティブ商品で、VIX指数インバースETNに投じられている資金は30兆円とも100兆円とも云われており実態は判りません。

ところが、先々週のアメリカの長期金利の上昇でVIX指数が50まで跳ね上がったため、一気にVIX指数インバースETNの投資家は、多額の含み損を抱えることになりました。具体的には、野村證券の同商品は48,000円前後の値を付けていましたが、VIX指数が跳ね上がったことで価格が算定できなくなり1,150円で強制償還しています。たった3日間で、約97%値下がりしての強制償還です。アメリカの長期金利が上昇する前、このデリバティブ商品に投資されていた額が100兆円だとすれば、それが一気に3兆円まで減ったことになります。日本の国家予算規模のマネーが、一瞬にして吹き飛んだわけです。

このデリバティブ商品に投資をしていた機関投資家は、損失を穴埋めするために、これまでの上昇で含み益を抱えていた保有株を売却せざるを得なくなりました。実際にはアルゴリズム取引(コンピューターによる自動売買)で、機械的に株が売られたわけです。

注意すべきは、今回の長期金利上昇で幾多の矛盾が生じたことです。一番わかり易い例を記しますと、アメリカの長期金利が上昇すればセオリー的にはドル高になりますが、実際にはドル安が進んでいることです。つい先日まで113円台、アメリカの長期金利が上がるまでは108円前後でしたが、先週は一時105円台をつけました。ドル安が正しいのであればアメリカの長期金利は下がるはずですし、アメリカの金利上昇が正しければドル高になるはずで、どちらかが嘘の数字を示した状態になっています。このような矛盾を複数抱えている状態は、どこかで逆バネが働くと想像を超える動きになる可能性があります。

『以下は、2月26日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,892円から21,181円へ』

アベノミクスには黒田日銀の金融政策は不可欠です。文字どおり「異次元」の金融緩和やマイナス金利で、円安・株高を展開してきました。今のところ市場は、黒田氏の続投を金融緩和継続のメッセージと受け取っています。仮にそうであれば、今後も異次元緩和を継続することは、出口戦略をますます難しくするとともに、ソフトランディングできなかった場合の日本経済が、壊滅的なダメージを受ける可能性があることは繰り返し記してきたところです。

そして、日銀が本来目指しているインフレ率2%は一向に達成できていません。景気拡大は、いつの時代も消費が強いことが条件ですが、政府が示す嵩上げされた経済指標よりも実体経済は強くなく、消費は弱い状態が続いています。上場企業は最高益を更新しEPSも増大していますが、内需関連の企業業績は外需関連企業ほど強くないことも前号で指摘しました。ドル高を容認しないトランプ氏の発言もあり、インフレ期待によって進んできた円安は終焉しかけているかに見えます。

アベノミクス始動前に70円台であったドル円は、日銀の異次元緩和によって114円まで昂進しましたが、直近では一時105円台をつけるなど円高に振れています。アベノミクスの始動以降、投機筋は円安=日本株高のセオリーに従い、概ね「円売り・日本株買い」、「円買い・日本株売り」をセットで仕掛けてきました。今回の円高局面で、投機筋の「円売り」ポジションが減っていないことが気になるところです。