6月のニュースと日経平均株価

『以下は、6月3日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値20,601円から20,884円へ』

今後は国内政治を主役としたステージに移ってくることになると思われます。

安倍政権の玉として、消費税増税延期・中止が残っています。日経平均が20,000円を割ると、いつ、この発表が飛び込んでくるかもしれません。

また、消費増税中止・延期の代案として、消費増税は強行するが、公共事業などの追加経済対策をさらに上乗せするということも考えられます。こうした政策により株価が反転することになったとしても、一時的な反応で終わり、中長期のトレンドを反転させる力はないと考えますが、すべては出てくる内容を確認して見なければ、現時点での決めつけは避けた方が良いでしょう。

 

『以下は、6月10日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値20,884円から21,116円へ』

安倍総理が模索する消費増税延期(中止)という、日経平均上昇の特効薬となる大玉の発動も、与党内と霞が関からの強烈な巻き返しで、徐々にその可能性が低くなってきており、国内の新たな上昇圧力も望み薄になりつつあります。

この株価位置を大きく超えて上昇するには、やはり、いま一つ上昇圧力に欠けるものがあります。アメリカ株の上昇によって、日経平均にも連れ高圧力はかかりますが、アメリカ株の上昇が利下げを主因とする限り、せっかくの連れ高圧力の一部また全部を、円高が相殺する恐れが大きいと思われます。日経平均は本来ならあり得ない水準まで、下がってしまっているところですが、さりとてここから力強く上昇して、V字回復軌道を描くだけの材料は、現時点ではまだあまり見当たらないといえます。

 

『以下は、6月17日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,116円から21,258円へ』

問題は実際にFRBが利下げを断行した場合、本当に日銀に対抗策があるかどうかという点です。日銀が追加緩和を示唆するといって、実際に何をやることができるのかという点は、現時点でまだ謎のままです。実際、アメリカの利下げに対応して、日本もまた利下げを実施するならば、「マイナス金利の深掘り」しかなくなります。

確かに円高は止まるかもしれませんが、その副作用は深刻極まりないものがあり、金融機関の多くが凍り付いてしまいます。地銀や生命保険会社の中には、経営破綻も危惧されるところもあるため、下手をすれば日本発の金融危機になりかねません。

したがって、追加緩和をやるとすれば、やはり市中から国債を買い込んで、マネーを市場に供給するというオーソドックス(?)な量的緩和が、その柱になると思われます。(量的緩和という手段は今なお批判や懸念が根強いものですが、残念ながら日銀が行える有効な金融政策はこれしかなくなってきています。)

今年3月に発表の新たな購入計画では、買い入れの実施回数の減少が書き込まれ、購入額の大幅な減少が示唆されましたが、「ステルス・テーパリングの継続・拡大」と市場関係者の多くも認識したにもかかわらず、長期金利を低水準で維持できています。この黒田総裁らの孤独な戦いによって、昨年の買い入れ額が40兆円を切った結果、異次元緩和を続行する余力は、ある程度残っています。

アメリカの利下げによる円高圧力に対抗し、半年から数年ほど異次元緩和を拡大させ、円高の速度を和らげるということは、もしかしたら可能になるのかもしれません。ただ、買い入れ額が減少したとはいえ、すでに買った分を吐き出したわけではなく、全国債における日銀の保有比率はすでに40%を超えた水準で推移しています。黒田総裁は「理論上、上限はない」「100%の買い切りも可能」と言いますが、それをやっていいかどうかは別問題です。

 

 

 

 

 

 

量的緩和にも副作用があります。そもそも国債は重要な金融商品ですから、市中から全部を巻き上げてしまったら、あらゆる金融システムが円滑さを欠き、日本経済が機能不全に陥ることが懸念されます。(既に国債市場は息をしていません。株式市場も、日銀の買いで浮動株が減少し続け、売買代金も減少しています。)

また、全国債の5~6割を中銀が保有すれば、「財政ファイナンスだ」との疑念から、日本国債と円の信認が暴落して、市場が売りに走るという指摘が、かねてから根強くなされています。さらには別の観点からの指摘として、アメリカが黙認してきた従来の水準を超えて、日銀がさらなる国債買い入れを断行すれば、トランプ政権はその円安効果に目をつけ、日本を為替操作国と批判し始めることも十分にあり得ます。日米協議に為替条項が組み込まれ、政治圧力による円高が発生したならば、それで異次元緩和の効果が相殺され、逆に円高が進む懸念すらあるわけです。

『以下は、6月24日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,258円から21,275円へ』

リーマンショック後の「量的緩和バブル」が、再び始まるのではないかという期待で、アメリカ株が上昇しています。

FRBは金利を「据え置き」とし、具体的に動いたわけではありませんでしたが、パウエル議長が「年内の利下げ」を示唆したことで、世界市場は「利下げ」を前提として動き出しました。欧州ではECBのドラギ総裁も景気減速に対抗し、こちらも金融緩和を示唆したことが歓迎され、世界的に市場全体が金融緩和を前提として、リスク・オフのムードがある程度後退しました。

日銀もこの金融緩和の流れを無視できなくなっており、(アメリカが利下げ、EUが金融緩和すれば、円高と株安圧力がかかるため)明確に追加緩和を示唆するに至っています。多くの騒動の震源地であるアメリカでは、貿易戦争と金融政策の双方の緩和を歓迎し、あっさりと史上最高値を更新しています。先述のとおり、先週中盤以降、日経平均がするりと上昇したのは、このアメリカ株の上昇に連れ高した側面が濃いです。(日銀が日本の株式市場を機能停止に追い込んだことで、現在の日経平均、日本市場は主体的に動けるエネルギーがありません。)

しかしながら、世界市場が再び金融緩和頼みとなったのは、日経平均にとって痛し痒しであり、その焦点はもちろん為替です。まだアメリカは利下げしてもいないのに、すでに円高の圧力が発生しており、1ドル107円割れ寸前まで一気に動きました。

1ドル110円を大きく超える円高は、日経平均の上昇圧力を完全に削いでしまうものです。実際、日経平均は再び21,000円を目指して押し戻されてしまっています。