4月のニュースと日経平均株価

『以下は、4月1日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,205円から21,807円へ』

メイ政権は議会を粘り強く説得しており、明日以降も何度も採決をする予定です。合意案が4回目の採決に付されたり、別の代替案が提示されたりと、時間が許す限り努力は続きます。
しかし、ついに手立てがなくなったなら、政治的な敗北を素直に認めて、「総選挙」や「国民投票」に賭けるしか残されていないことになります。これまでなら、総選挙の実施や国民投票のやり直しは、離脱プロセスを主導してきたメイ首相の政治生命喪失に直結する恐れがあるため、あり得ないだろうと思われてきましたし、メイ首相もそのように明言してきました。

メイ氏はもう続投を視野に入れておらず、完全に捨て身の状況ですから、最後のどんでん返しの可能性はあります。これならばEU側も待つと思われます。先の欧州首脳会議の結論として、合意案が英国議会で可決されない場合は、4月12日に自動的な「合意なき離脱」だと、最後通告が突き付けられていますが、イギリスが新しい方向性を示すならば、結論は長期で先送りされることも、一つの逃げ道として残されます。
EU側は4月10日にもう一度欧州首脳会議を開くともされており、この日までにイギリス側が決断をすれば、ある程度の長期で結論を延期するでしょう。合意なき離脱の恐怖は一転して、電撃的な総選挙や、国民投票のやり直しを経て、離脱撤回となる可能性は残っています。先週のメイ首相の捨て身の姿勢により、こうした新しい方向性を開く可能性が、急浮上してきたのが一つの希望です。


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『以下は、4月8日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,807円から21,870円へ』

トランプ氏が人事権を行使してFRBに金融緩和への圧力を強めていることが報じられています。
7席あるFRB理事ポストのうち2つが空席となっており、トランプ氏はその一つに保守系の経済評論家、スティーブン・ムーア氏を指名するとも表明しました。ムーア氏は大統領選で大型減税を立案するなどトランプ陣営幹部として働いた人物です。もう1席には、ピザチェーン経営者だったケイン氏で、2012年の大統領選に立候補した経験もある共和党有力者で、現政権の熱心な支持者の一人として知られています。ケイン氏もムーア氏も「FRBの利上げは間違い。」「FRBは利上げで景気を大きく減速させた。」と批判し、「利下げだけでなく量的緩和にも動くべきだ。」と主張しました。

トランプ氏は主要ポストに次々と側近を充てる一方、FRBだけは専門家を配置して独立性に配慮してきました。2020年の大統領選を前に、トランプ氏は0.5%の利下げを要求しており、今回、それを実現すべく自らに近い元実業家と経済評論家の2人を理事に指名したわけです。

FRBは2019年中の利上げを見送る考えをにじませていますが、「2019年、2020年とも1回ずつの利上げを模索する。(フィラデルフィア連銀総裁)」など強気な声も残ります。金融政策を決めるFOMCは、正副議長ら理事7人(現在は5人)と地区連銀総裁のうち5人が投票権を持ち、トランプ氏は自らの主張を反映できる側近を送り込み、金融政策へ介入しようとの目論見でしょう。

過大債務や資産バブルの懸念が残る中、政治の介入が強まり中央銀行の独立性への信認が揺らげば、金融市場に歪みが広がるリスクは否めません。アメリカ経済は失業率が半世紀ぶりの水準まで下がり、株価など資産価格も再び上昇基調にあります。FRBの金融引き締めを完全に封じれば、投資家らが再び過度にリスクをとるようになり、今以上の資産バブルが発生しかねません。ご承知のとおり、トランプ氏は財政政策でも拡張路線を取っており、財政赤字は近く1兆ドルを突破する見通しです。FRBが低金利を維持すれば、財政出動に歯止めが利かなくなる懸念もでてきます。

1960年代のジョンソン政権時に、大統領の利上げ停止の要請を受けて、FRBが1年以上も金融引き締めを見送ったことがあります。インフレ率は4%台へ急伸し、財政赤字も戦後最悪の水準に達してドル不安が台頭し、金本位制を放棄する1971年のニクソン・ショックに繋がった歴史があります。1980年代のレーガン大統領も、インフレ容認派の理事をFRBに次々と送り込み、インフレファイターと云われたボルカー議長を退任に追い込みました。トランプ氏が2020年に再選を果たせば、パウエル氏を交代させ、政権の意向を忠実に反映する側近を充てる可能性が強まったと思われます。

基軸通貨を抱えるアメリカで中銀の独立性への信頼が損なわれれば、世界市場への影響は甚大なものになる筈です。

『以下は、4月15日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,870円から22,200円へ』

日銀の黒田東彦総裁は11日(木)、G20に出席する為に訪れたワシントンで、世界経済について「今年後半に回復し、来年は十分高い成長が見込まれるというのがメインシナリオ」と楽観的な見通しを示しました。
一方、米中通商協議やイギリスのEU離脱の行方など、先行きには不確実性が残るとも指摘しています。また、「保護主義的な動きは米中双方にとってプラスにならない。」と強調し、WTO(世界貿易機関)の下で、自由貿易が世界経済発展に寄与したという認識で、G20各国の努力が必要であり、今回のG20でもそうした議論になるだろうと、今日から始まる日米協議を牽制しました。

3月末から足元にかけ、ドル円はクロス円とともに上昇していますが、世界的な株高などを背景としたリスクオンの円安という側面が強いように思います。
市場がリスクオンに傾いた理由として、
・米中通商協議が合意し、さらに中国の景気対策で世界経済の回復期待。
・アメリカの金利低下で株高と景気回復への期待上昇。
・米中経済指標の一部が改善。
が挙げられますが、これらは持続性があるとは考えにくいものです。

『以下は、4月22日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,200円から22,258円へ』

短期の視点でも見ておきます。
現物株の主役であるファーストリティリング(ユニクロ)とソフトバンクグループに加え、CTAなどの短期筋による日経平均先物への攻勢によって、22,000円を上抜けてきた日経平均。先週は22,201円で引けています。金曜日の110円の上げも、そのうち48円はファーストリティリングの上昇分です。すっかり仕手株化したファーストリティリングですが、そもそも浮動株のほとんどを吸い尽くした主犯は日銀です。今も日銀は前場にTOPIXが下げると、700億円もの買いで買い本尊を側面支援するという国家公認仕手株と化しています。
 ここから先、買いの本尊が買い上げると、売り方が悲鳴を上げながら買い戻しを迫られることになります。ファーストリティリングの浮動株は枯れており、上値は買い方の意向次第で動かせる環境となっており、1年ほど前からメルマガで指摘していたように、「信じられない高値」を示現する可能性が増しています。また、半ばファーストリティリングに支配されている格好の日経平均もの上値も、日経平均連動型の資金を運用する機関投資家などが、指数連動のために機械的な買いを入れる状況が想定され、上値を侮れません。
 
こうした結果、NT倍率は先週も一本調子の上昇を続けています。

上場来高値更新のファーストリティリング、22,000円の節目を抜けたた日経平均、買い方のCTAが「どこまでやるか」、「どこまでやれるか」が焦点となります。今のところ、ジリジリとした動きをしており、まだクライマックス感は出ていませんが、NY市場の急反落などが入らなければ、最後に売り方を焼き尽くす華やかな上昇を見せてクライマックスを迎える相場つきです。

足元のTOPIXを置き去りにしての日経平均およびファーストリティリング、ソフトバンクグループの2社だけで引っ張り上げる相場は単なる仕手株的な仕掛けであり、仕掛けが終われば、少なくとも22,000円以上のところは幻の株価となると考えます。ここまでの上昇が極めて不自然で無理のある上昇であることは、一方通行で新高値を上る足元のNT倍率の推移からも十分に判ります。歪めば歪むほど、その後の反動は大きなものになると思われますが、それが今週なのか、GW後に来るのかは定かではありません。以前から買いは控えるようにお伝えしていますが、売りに優位のある弱気相場の見方は変わっていません。