7月の「日経平均株価振り返り」と「主なニュース」

『以下は、7月2日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,304円から21,788円へ』

株式市場の取引量が落ち込んでいます。東京証券取引所第1部の1~6月売買高は、1日あたり15億株強と前年同期比で2割も減っています。これは2004年以来、14年ぶりの低い水準です。一つはアメリカが政策金利の引き上げを続けている影響だと思われます。低金利と緩やかな景気拡大が併存するための「適温」は見込みにくくなり、ドル高の影響で新興国市場には資金流出圧力も強まっています。それを受けて、日経平均のボラティリティー・インデックス(VI)指数は、警戒ラインとされる20を超える場面が度々みられるようになっています。

そのような中で6月の日経平均株価は、2017年末比2%安の22,304円で取引を終えました。22,000円で踏みとどまっているものの、それを支える売買が低調なのが気になるところです。日銀が金融緩和を拡大した2013年当時と比べると、東証1部の売買高は半分以下の水準となっており、売買量が落ち込んでいると売りが出た際に吸収するのが難しく、株価の下げ幅が大きくなることは念頭に置いておくべきでしょう。

『以下は、7月9日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,788円から22,597円へ』

先週2日(月)は、寄り付き前に日銀短観(景況感2四半期連続悪化)の発表があったものの、前場は一時プラスに転じる場面がありました。先々週に続き22,000円ラインが死守されるかと思いきや、前場引けの直後にメキシコ大統領選で強硬派のオブラドール氏の当確が報じられると、先物の売り仕掛けが入りました。前場は下げておらず日銀の買い出動もなかったため、売りの仕掛けが見事に嵌まった格好です。

貿易戦争は米中だけでなく、欧州、北米、日本という同盟国も巻き込んでいます。また、トランプ政権の標的はさらに広がり、イランやロシアへの経済制裁も進められています。 ただでさえ脆弱な欧州や新興国の中には、アメリカの利上げによる通貨・債権等への不安もあり、経済危機の誘発が警戒されています。

貿易戦争は米中のどちらかが態度を変え、明確に融和ムードが出てくるまでは、まだ何があるかわからない状況ですから、日経平均が国内から上昇圧力を得るとしても、この夏にかけて、もう一波乱二波乱があり一時的に上記の安値異常値下限を割り、20,000円を目指す下振れがあり得ることを念頭に置いて戦略を立てるべきと思います。

『以下は、7月16日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,597円から22,697円へ』

「2019年は日本経済が粉砕される年になる(ブルームバーグ)」
「何十年も続いた日本の成長軌道が終点を迎えた(CNN)」
海外のメディアが日本経済のシュリンク(縮小)を伝え始めています。今、世界が日本に注目しているのは、世界に先駆けて日本の少子高齢化という時限爆弾が爆発した時、日本がどう対処するか興味津々というところです。

IMF(国際通貨基金)は、安倍政権が2019年10月に消費税を引き上げたとき、日本の経済成長は一気に鈍化するだろうと見ています。もともとIMFは、民主党の菅政権のときにも、消費税を引き上げるべきだ、と迫っていました。この時点で、IMFは「最低でも15%に消費税を引き上げないと日本は財政破綻する」としていました。15%の消費税で財政が健全化されるわけではなく、財政破綻を回避できるということです。
消費税3%が初めて導入されたとき、それに伴う国民の税負担増は約3.3兆円でした。 消費税が5%から8%に引き上げられたとき、国民の肩には、新たに9兆円の税負担がのしかかり、一気に景気後退を引き起こしました。消費税が3%増加したことによる国民負担の内訳は、消費増税3%分とそれに伴う特別減税の打ち切りによる負担増が7兆円。医療費の本人負担増が2兆円でした。
安倍首相は、過去二度にわたって10%の消費増税の実施を延期しています。2019年10月に本当に増税を実施するというのであれば、日銀は「2%のインフレ達成」か「インフレ目標達成間近」という誤報を国民に投げかけて、力尽くで納得させるしかないでしょう。そして、「2%のインフレ目標を達成した」と日銀が宣言すると同時に、マーケットは異次元緩和を段階的に縮小し始めることを日銀が示唆したと受け取ります。
既に政府の新規国債の引き受け手は不在です。日銀は、財政ファインナンスに踏み切る以外にないのです。(日銀の国債買いは事実上の財政ファイナンスできると解説してきましたが、日銀は「市場を介した買い入れ故、財政ファイナンスではない」との主張を変えません。)
そこで、いよいよ現実味を帯びてきているのが、ヘリコプターマネーです。財政を顧みず、GDPを水増し、あたかもそれが事実のように見せ、その成長率をベースに拡張財政を打ってきました。海外メディアが、2019年は日本に災厄が訪れる年になりそうとする根拠は、ヘリコプターマネーや財政ファイナンスによる国民が望まないインフレを示唆するものです。

『以下は、7月23日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,697円から22,712円へ』

秋の臨時国会で補正予算がどの程度つくか、また来年度以降の予算総額はどこまで膨らむか、期待が集まりつつあります。
というのも、6月に土木学会が発表した試算で、巨大地震や巨大洪水などの被害総額が従来想定を大幅に上回ることが示されたからです。実際、土木学会がその衝撃的なデータを示した直後に、その内容を証明するように大阪で直下型地震が起き、さらに西日本を中心に豪雨災害が発生したため、それら防災対策が待ったなしであることが、政府に対して突き付けられた形となっています。

土木学会による試算では、直接的な資産被害だけでも、南海トラフ地震で170兆円、首都直下地震で47兆円にのぼると見られます。そして、その影響は日本全土に及ぶため、その後20年間に累計される経済被害は、南海トラフ地震で1240兆円、首都直下地震で731兆円とされています。なんと税収の40年分くらいに匹敵する2,000兆円もの経済被害が、7割以上の確率で私達の世代を襲うことになります。現時点で日本の国富(正味資産)の総額は、おおよそ3,500兆円ほどと見積もられていますが、その大半は土地値で嵩上げされた分です。南海トラフ地震や首都直下地震は、戦後70年以上にわたって蓄積した富の大半が丸ごとむしり取られることを意味します。
かつて国土強靭化に猛反対した野党も、災害による人命、国富の喪失を前提にすれば、予算案に反対することが難しくなります。ただし、莫大な予算を単年度で手当てすることは不可能です。一方、災害は明日起きても不思議ではなく、できることであれば一気にやりたいところでしょうが、そうすれば即座に財政が破綻してしまい、全ての事業が実現不可能となります。
土木学会は「15年程度で完了」という目途で、全ての事業プログラムを提示していますが、仮に60兆円を15年かけてやるのであれば、毎年4兆円の出費で賄えることになります。安倍政権は2014年の国土強靭化基本計画以降、毎年3~4兆円を防災に関する公的支出として予算化してきたわけですが、これを倍増させることができれば土木学会の「予算要求」は満たせることになります。

『以下は、7月30日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,712円から22,525円へ』

実体経済を他所に日銀が年間6兆円もの株買いで、株価(とくに日経平均)を嵩上げしてきました。中でもファーストリテイリングの日経平均への影響や浮動株の減少については、直近のメルマガでも繰り返し指摘してきました。現時点でファーストリテイリングの浮動株は2,000万株程度まで減少しており、今のペースで日銀が買い入れを続けると来年前半には浮動株が無くなる計算です。

日銀の買い入れ手法の柔軟化には、理論上2つの可能性があります。1つは、買い入れに占める日経平均連動のETFの割合の引き下げること(段階的にゼロへ)。もう1つの可能性は、ETFの買い入れを最大で年間約6兆円にすることです。単純に買い入れ額を減額するよりも、市場へのマイナスインパクトを小さくできるでしょう。
 
もっとも、9月の総裁選を控えて、市場に波乱を起こすようなことはできませんから、株買いの出口に関する明示的な表現はできないと思います。今日、明日の金融政策決定会合でどのような答えを出すか、全ての市場関係者が注目していますが、できたとしても「ステルス株買い縮小」か「ステルス配分比率変更」ではないかと考えます。