6月の「日経平均株価振り返り」と「主なニュース」

『以下は、6月4日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,171円から22,694円へ』

イタリア政局の混迷から「イタリアのEU離脱」そして「EU崩壊」の懸念が世界の市場を襲いました。
首相に指名されたコンテ氏の「反EU・反ユーロ」人事をマッタレッラ大統領が拒否し、これを争点とする再選挙が8月以降に開催される見通しとなったということで、世界の市場が動揺したのです。
再選挙が実施されれば、コンテ氏を支持するポピュリスト政党「五つ星」と、極右とされる「レーガ(同盟)」がさらに躍進し、最終的にEUとユーロからイタリアが離脱する可能性が出てきます。
仮にイタリアがEUを離脱することになれば、その衝撃はイギリスのEU離脱よりも大きいといわれています。イギリスの方が経済規模は大きいですが、イタリアはEU圏内で3番目の経済大国ですし、後から日和見的にEUに参加したイギリスと違い、イタリアはEUを作った国の一つでもあります。また、ユーロを採用しなかったイギリスと違い、イタリアはユーロ圏で初の主要国の離脱となります。

その場合、どのようにしてユーロの信認を維持するか、EUもECBも妙策はないでしょうし、私たち市場参加者も未知の対応を迫られます。
この騒動で先週水曜日の日経平均は一時400円超の下げとなり、22,000円ラインを割る場面もありました。
もっとも、世界の市場を震撼させてしまったことで、イタリア政界はやや冷静になっているようです。EU離脱とユーロ崩壊で最も打撃を受けるのは、債務危機を招いて破綻することが確実なイタリアですから、その後マッタレッラ大統領 とコンテ氏が合意して、穏健なコンテ内閣が発足することとなり、イタリア発のグローバル・リスクは一段落しました。現在、イタリア不安の後退でアメリカ株式市場も回復基調に入り、日経平均も22,000円を維持しています。ただし、南欧不安が完全に去ったわけではなく、コンテ政権はEUに懐疑的な政権であり、今後もEUに遠心力をもたらす可能性があります。

『以下は、6月11日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,694円から22,851円へ』

構成銘柄の点で、日経平均はダウ平均よりもナスダックに連動しやすいとお伝えしました。
そのナスダックは3月に付けた高値を抜きましたが、ダウは高値に届いていません。これはアメリカが仕掛ける貿易戦争の影響が小さいハイテク株や半導体株、すなわちナスダックの銘柄に資金が流れているだけと思われます。絶えずポジションを持たなければいけないファンドや機関投資家によって買われたものでしょう。

一方、日経平均は23,000円近くまで上昇しています。この23,000円を越えることができるかどうかが、目先の焦点となりそうです。ただし、この上昇はナスダックのようにハイテク株や半導体株が買われているわけではありません。先週金曜日はメジャーSQでした。先物が価格の取り合いをしているだけで、先週の上げは大勢に影響がないとみています。
先物の値決めによる上げは総じて信用できず、SQ後には反落して幻に終わることが多いものです。実際、大きな材料もなく、日経平均現物は殆ど商いがない閑散相場が続いていますから、23,000円を越えられずに下げる可能性が高いとみています。

『以下は、6月18日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,851円から22,516円へ』

6月4日配信のメルマガで、日経平均への影響度が高いファーストリテイリングの浮動株が減少しており、同じ額の買いを続ければ、今後上昇率は高くなることを解説しました。  
ここで、個人投資家に人気の銘柄(信用買い残が多い)上位7社を確認しておきます。

このように、個人投資家は厳しい状況が続いています。既に追加証拠金を迫られている個人投資家も多いと思われますが、もう一段の下げがあれば投げ売りが出て来るでしょう。
なお、ソフトバンク以下は、日経平均の構成銘柄です。日経平均という指数は底堅さを維持していますが、個別の銘柄を見るとこのような状態です。もはや日経平均は、ファーストリテイリング、ファナック、ソフトバンクの3社で、騰落の大半が説明できます。
これまで外国人投資家は、日経平均先物を使って上へ下へと仕掛けていましたが、今後は日経平均への影響が大きいこれらの銘柄を使って、日経平均を動かしてくる可能性も考えられます。

『以下は、6月25日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値22,516円から22,304円へ』

そのNYダウが続落する中でナスダックが最高値を更新しており、主要指数が逆の動きを示すダイバージェンスとなっていること、日経平均という指数だけが上昇していることを解説してきました。
日本市場においても、日経平均が上昇してもTOPIXは下落するという動きが目立ってきています。20日のTOPIXは、5月30日の2番底である直近安値、マザーズは4月17日につけた年初来安値をそれぞれ更新しており、まさに日経平均だけが底堅く推移している状況です。

先週19日、20日の日経平均を例に説明します。

19日は大阪地震の影響もあり、久しぶりに大きく下落しました。19日朝8時40分頃の日経平均先物は、引け値近辺に注文が出ていましたが、寄付きの8時45分が近づくにつれて指値が下がり、大きなギャップダウンで寄付きました。
翌20日の前場は、日経平均が9円の上げに対し、TOPIXは9円下げています。先週のメルマガで解説したとおり、日銀は再びTOPIXが0.1%下げると買い入れするようになっていますので、TOPIXの前場の下げを見て、午後に買い出動しました。(今月は1回あたりの買い入れ額が703億円です。)
 
結局、その日の終値は、日経平均が前日比277円上げ、TOPIXが9円の上げで引けています。日経平均に大きな影響があるファーストリテイリングは、前日比1,740円で引けています。
つまり、日経平均の上昇277円のうち、ファーストリテイリングだけで64円という計算になります。(日経平均の計算は、構成銘柄225社の株価を27で除したもの。ファーストリテイリングが1,740円上げた場合の日経平均への影響は1740÷27=64となります。TOPIXは時価総額で加重平均していますので、ファーストリテイリングは殆ど影響がありません。)
そして、そのファーストリテイリングの浮動株は枯れてきていますから、今後、日銀が同額の買い入れを続ければ、感応度は高くなり続けます。日銀が株買いを続ける意味、市場原理を機能不能にさせていることについて、繰り返し指摘してきましたが、憲法改正に向けて株高を演出するためには、むしろ好都合というわけです。

この日のNT倍率は、18.6倍まで上昇しています。(NT倍率とは、TOPIXを分母、日経平均を分子にして計算した倍率。)日本の株価指数も、ダイバージェンスの状態です。日経平均もTOPIXも日銀によって買い上げられていることに違いありませんが、その影響度を鑑みれば、どこかの時点で日経平均が下げることを想定しておく方が良いかもしれません。