『以下は、3月4日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,602円から21,025円へ』
日経平均は薄商いが続く中、21,500円付近の狭い値幅内で推移しています。上値から上値へと買われることも、大きく売り込む動きもありませんでした。
そのような中、日経ダブルインバース買い、日経平均先物売り、日経平均オプションのプット買いと、投資家たちの下落に向けたポジションが膨らんでいます。ダブルインバースは1.8億口と過去最高で、日経平均先物に換算すると2万枚の売りに相当します。これだけ多くのダブルインバース買いは、国内金融機関のヘッジ目的との観測もありますが、需給面では21,500円前後が大きな壁でしたから、下落に向けたポジションが組まれていたと考えられます。
ただ、相場は天邪鬼で、投資家達の警戒感が強まる中で上昇したりするものですが、近年の相場はAIが個人投資家をロスカットさせるまで一方向に動き、多くの投資家が投げたところで急転することがよくあります。2月27日にはライトハイザー氏が、日米協議の開催と例の為替条項にも言及しましたが、日経平均は21,500円を超えてきています。22,000円を目指してくれば、下落期待のポジションは解消され、一旦大きく上昇する局面もあるかもしれません。
『以下は、3月11日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,025円から21,450円へ』
先週の日経平均は半値戻しという節目の攻防の中、週明け早々に「米中首脳会談」が3月27日に行われる方向で調整中だという好材料が出ました。既に大部分が織り込み済みだったとはいえ、米中協議が好転していくことへの期待で、日経平均はぽんと21,800円台まで上昇しました。
先週はメジャーSQでもありましたから、この勢いで上への波乱が起きれば、日経平均は22.000円をターゲットとして、さらに上に跳ね上がるという展開もあり得なくはないという状況ではありました。しかし、CTA戦略(買いポジションと売りポジションを同時に取る)を採用する外国人に因る先物の買い戻しが日経平均を上げてきたわけです。相変わらず薄商いが続き、現物を買う動き(中長期の資金)は見られず、そうしているうちに、メジャーSQを要因とする思惑が働く前に、世界と日本の経済と景気の動向が上に抜ける展開を許さなくなってきました。
需給面で大きな壁であった21,500円を上抜けましたが、AIが投資家たちのロスカットを誘ったように思われます。薄商いで板が薄い上に、AIが機械的に売買しますから、上げ過ぎや下げ過ぎの局面が頻発しています。
『以下は、3月18日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,450円から21,627円へ』
日本の製造業が一斉に業績予想の下方修正をしています。主要181社の2018年度の経常利益の合計は、昨年11月時点から約1割減で、2兆5000億円も吹き飛んだことになります。減益要因の殆どは中国経済の下振れと考えられ、中国に巣くう根深い問題を考えれば、中国頼りの企業の成長力は鈍り、日銀の異次元緩和からの出口は更に遠のくことになります。そして、異次元緩和の継続は、金融機関の体力を失わせます。
中国の景気低迷は、銀行融資の不良債権化を生むだけではなく、日本経済全体の不況入りをもたらします。マイナス金利政策によって、銀行の調達金利と貸出しの利ザヤは縮小しました。超低金利に苦しむ邦銀は、保有の日本国債を大量に売って(日銀が買って)、利回りが少し高い海外の債券を買うようになりました。
中でも一番人気は、低格付けの会社の発行する債券をまとめたCLO(ローン担保証券)です。利回りが高いので、日本の地銀や雑金融機関がこぞって買い、農林中金などは、CLO市場全体の1割に該当する6兆円も買い占めています。このCLOを組成には、低格付けの社債が組み込まれています。低格付社債を発行する会社の多くは、元本や利息返済脳力に乏しいので、債務を別の社債に借り換えることで凌いでいます。
今のところ、農林中金をはじめとする日本の銀行がCLOを大量に買っているので、借り換えがスムーズに行っていますが、中国から波及した不況によって日本の銀行が不良債権増となれば、その損失を埋めるためにCLOを売る必要に迫られます。
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日本の銀行が売りに転じれば、CLOの自転車操業が止まることとなり、日本の銀行が保有しているCLOも多額の損失が生まれることになります。
2月4日号のメルマガで、『サブプライムローンを集めて組成した債券のCDO(債務担保証券)を多く保有していたベア・スターンズやリーマン・ブラザーズが、CDOを売却しようとしているうちに市場価格が急落し、あっという間に90%も値下がりしました。それでも売れなかったため、資金繰りに窮して破綻したものです。』と紹介しました。
また、1997年のアジア通貨危機は、山一證券をはじめ多くの銀行、証券、保険会社が破綻する過程で、日本の金融機関がアジアから資金を引き揚げたことが遠因とされています。バブルとされる中国経済の弾け方如何では、日本初の金融危機の可能性もシナリオの一つとして頭に入れておいた方が良いかもしれません。
『以下は、3月25日配信の有料メルマガから一部抜粋。
この週の日経平均株価は、前週の終値21,627円から21,205円へ』
22日(金)のダウ平均は前日比で460ドル下落しています。1月3日の660ドルに次いで今年2番目に大きい下げ幅です。急反落の原因は、欧州、とくにドイツの景気減速に対する懸念をはじめ、アメリカの株式市場がブラックアウト期間(決算発表前5週間から決算発表後2日間は、自社株買いの自粛期間)から売りが先行したことに因ると思われます。
更に、アメリカ債券市場では長期金利が一段と低下し、10年物が3か月物を下回る逆イールドが発生し、投資家のリスクオフに繋がったようです。
FRBは20日(水)、2019年中の利上げ見送りの見通しを示し、米金利に強い低下圧力がかかり、22日(金)に日欧の金利低下と景気指標の悪化が重なって
米債買いが勢いづいた格好です。長期金利の指標である10年債利回りは一時2.41%台に下げ、約1年3カ月ぶりの水準まで低下。2.46%台で推移した3カ月物を下回りました。逆イールド(長短金利の逆転)は景気減速や株価暴落のシグナルとされていますが、現在のような低金利下においてもそのセオリーどおりとなるのでしょうか。